ホームレス法的支援者交流会が各地の支援者団体の協力を得てアンケートを実施した。よくぞ動いてくれた。ようやく初めの第一歩が始まる。遅きに過ぎるとの物言いも、欧米他の「民主主義」国家と」比較して出来るのかもしれない。しかし、そのような現実を批判してみても何ひとつ変わらない。
どこそこと比較して、たとえこの日本が、たとえ如何様、それがあまりにもひどい現状でも、そこから、現実から始めるしか方法はない。
ホームレスの人やDV被害者たちに選挙権がないという事実。
住民基本台帳法による実質の制限。導入以前と直後にあれだけ騒がれた住基ネット。
そして、保険や年金を一括管理する新たなる社会保障番号の導入。
これも今の住基ネットをベースにする案が濃厚だと言う。
でも、ちょっと待ってくれ。
ホームレスやDV被害者などが社会問題化するまで、私たちには現在の日本において、住民基本台帳法が公選法の基礎となって選挙権をしばっており、普通選挙が行われてはいない現状に気づかなかった。
それらの人々に加えて、自宅にて重度障害等の理由で療養されている人々も、郵便投票が認められていないため、投票場に足を運ぶことが出来なければ、投票することが出来ないし、3ヶ月以内で移動を繰り返す季節労働者や特に海外長期旅行者たちは選挙権の行使が出来ない。登録期間を一定も受けるというのは世界共通だけれども、その期間が3ヶ月だというのも他国に比較して長い。
上のような理由を挙げていけば限がないじゃないか、との意見がでそうだが、世界の「法治」国家と呼ばれ得る国々では、議会制民主主義において選挙権はその根幹に関わる重大な権利だとの認識を共有し、上のような理由の人々へ如何に選挙権行使の方法が出来るかをしっかりと制度の中で考えている。
そして、私などは、戸籍法と住民基本台帳違法は反民主的な日本の二大悪法だと考えるのだが、戸籍なわからなくても、わざわざ住所を移転するためにその都度登録する義務を負わせなくても、国家内の社会保障制た行政手続きを行っている国は多数存在する。
つまり、社会保障や行政手続における資料として必要不可欠であるという国の主張には説得力はない。単にそれがあたかもそのように当たり前で必要不可欠であるという言説を繰りし国民に刷り込んでいるだけである。
すこし話が滑りすぎた感があるが、社会保障番号の導入が具体的かつ現実的になっている現在、個人のプライバシーという皮膚感覚的なものだけでなく、しっかり現実の必要性を踏まえたうえで考えていくことも不可欠だと思う。
普通選挙の実現を目指す初めの一歩。
それを行動に移したホームレス法的支援者交流会と協力団体の方々。
その必要性を伝えてくれた記者の方々。
●参院選’10神奈川:寿町・炊き出しの簡易宿泊利用者ら3割、投票できず /神奈川(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20100708ddlk14010253000c.html
● ホームレス「投票したい」57% 支援団体調査に回答/(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/2010sanin/240586.html
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